出産した母親の産後うつ発症は 10%程度とされていますが、新型コロナウイルス感染症の影響で倍以上に増えている可能性があるとの大学研究者による調査結果もあります。
近年人と人との接触が希薄になっている現状がある中で、自身の心身の不調などに気づきにくくなっています。
このような現状の中、助産師として妊産褥婦のメンタルヘルスを支える力が求められています。
この記事は以下の学生の方や助産師の方におすすめです
・産後うつについて勉強したい
・周産期のメンタルヘルスについて勉強したい
・精神疾患のある方について妊娠期からどのように関わるべきか学びたい
産後うつとは
産後うつ病は、出産後に発生するうつ病の一形態であり、出産後2週間から1年以内に発症することが多いとされています。
現在、産後うつ病の主な症状は、悲しみ、無力感、不安感、疲れ、集中力の低下、食欲不振、睡眠障害などです。
これらの症状が出現し、日常生活に支障をきたす場合、産後うつ病の可能性があります。
産後うつ病の原因については、複数の要因が関与していると考えられています。ひとつとして、出産によるホルモンバランスの変化です。出産後には、プロゲステロンやエストロゲンの分泌が急激に減少し、これがうつ病の原因となることがあります。また、出産後の睡眠不足やストレス、パートナーや家族との関係性の変化など、生活上のストレスも産後うつ病の原因となる可能性があります。
産後うつは医師の診断が必要となります。
産後うつやメンタルヘルスの勉強に役立つ本
マンガでわかる! 産後うつ?と思ったら読む本
こちらは産後うつについてとりあえず知りたい!勉強したい!と思った時にきっかけとして読むのにおすすめの本です。
漫画でのケーススタディが掲載されており読みやすかったです。
医学的に詳しいことは調べばければなりませんが、勉強のきっかけにできる本です。
また、妊娠期に産後うつについて心配している妊婦さんや家族にも読んでみてもらってもいいのではないかなと感じました。
これからはじめる周産期メンタルヘルス:産後うつかな?と思ったら
これから周産期メンタルヘルスについて勉強したり、そういった妊産褥婦との関わりはじめる方におすすめの1冊です。周産期メンタルヘルスへの導入にもってこいの本となっています。
私もこの本を参考に勉強を始めました。
イラストや図表を多く取り入れられているのでとてもわかりやすいです。学生の方にも読みやすく、新人の方にもおすすめです。
EPDS活用ガイド: 産後うつ病スクリーニング法と産後健診での正しい対応
EPDSの正しい使い方と活用法を分かりやすくまとめられた1冊になります。
EPDSとは?どうやって使ったらいいの?という方におすすめの本です。
Q &Aで自分の疑問を調べられるのが使いやすいポイントです。
母親のメンタルヘルス サポートハンドブック 気づいて・つないで・支える 多職種地域連携
産科医、助産師、看護師、小児科医、保健師など幅広い方に読んで欲しい1冊です。
母親との関わりの中でどのように母親の変調に気がつき、どこと連携すべきなのかがわかりやすくまとめられています。その中で、母親をどのように支えるのかを事例を交えて書かれています。助産師としての視点だけでなく多方面から母親を支えなかればいけないと改めて感じさせてくれた1冊です。多職種との連携に迷っている方がいましたらぜひ読んでみて欲しいと思います。
事例でまなぶ 助産師ができる周産期のメンタルヘルスケア
病態生理や各種ガイドライン、向精神薬といった基礎知識がまとまられていて、事例から妊産褥婦に対する助産師によるスクリーニングやケアの実際がかかれています。
事例が興味深いのと助産師の視点からまとまられているので実務に生かしやすい内容になっていますし勉強になります。
こちらの本は発行が2022年なので1番新しい書籍となっています。
脱 産後うつ 私はこうして克服した
参考書とは違いますが、産後うつの実際をリアルに感じるにはこちらの1冊をおすすめします。産後うつの体験がかなりリアルに描写されています。
実体験を知ることで妊産褥婦への手の差し伸べ方について考える気かっけになりました。
マンガが多く挿入されているので読みやすく、あっという間に読めました。
産後うつのリアルを知りたい方におすすめの1冊です。
まとめ
周産期のメンタルヘルスケアはこれからさらに必要になってきます。
その時に自分が助産師として何ができるのか、何をするべきなのかを迷わないためにも周産期のメンタルヘルスに関連した書籍を紹介させていただきました。
日々の学びの一助になれば嬉しいです。
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